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第2話
~恋ですか?~
義兄の手…大きくて指が長い…
お母さんの手を最後に握ったのは何時だろう…
義兄の体温…
私の空間に入り込んだ人…
自然と義兄の手を握った私は、もう心配かけちゃいけないと思った。
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朝目覚めると、私は布団の中にいた。
隣を見ると義兄はいない。
布団の中の温もりは自分だけのものだった…
…私…夢をみたのかな…
自分の手を見つめて…
ポタリと落ちる雫。
ポタポタと落ちる雫。
あぁ…私何で泣いてるのかな…?
ベッドの上で三角座りをしてうずくまる。
わからない…何で悲しいの?
どうして?
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翌日、大学の就職案内の広告が貼られた掲示板を見ていたら万樹が飛びついてきた。
「うぎゃ。」
「みずほ~。昨日はどうだった?」
ニンマリ笑う万樹。
「何のこと?」
「もう、しらばっくれちゃって。あ・つ・し・さ・ん。」
ぷにぷにとホッペをツツク万樹。
「お気遣いあ・り・が・と。」
じ~っと私の目をみるから、少し動揺して…瞬きが多くなる。
「落ちたのね。」
自信に溢れた笑みを向ける。
「落ちてない。」
「いや、落ちたね。目は口ほどにものを言うって知ってる? 何年親友してると思うの。そっかぁ~、ついに恋したか。」
「ない…そんなわけない。」
プイッとそっぽ向いて、
「じゃぁ、私忙しいから。」
そう言って、講堂へ向かった。
“恋”
そんなのいらない…
空を見上げた…
「ちっちゃい空…。」
そう…私の心みたいにちっちゃい…
…都会の雑踏に紛れて、見つからないように、本当の青さが見えない空は誰かに見つけて欲しいのかもしれない…
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