第3話

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「そちらの方は?」 篤さんが、大木さんをチラリと見る。 「こちらは、大木 誠さんだ。私の部下でね、瑞穂の見合い相手にと思ってね。」 大木さんを見るお義父さんは、ニコニコしていた。 余程お気に入りの部下なのかな… 「まだ、大学も卒業していないのに。」 篤さんは、少し冷たい瞳でみんなを見ていた。 「大木さん、瑞穂の事は本気ですか?瑞穂、お前はそれで良いの?」 何だかお義父さんよりも、お父さんなみたいな篤さん…。 「お義兄さんですよね。…私はまだ瑞穂さんの事は、何も知りません。でも、分かるんです。彼女の存在が、いつまでも私を癒やしてくれると…。ね、瑞穂さん。」 篤さんへ向けられた、挑発するような瞳と、私に向けられた縛りつける瞳…。 「お義父さん、お母さん、大木さん、私はまだ結婚なんて出来ない。やっと、自分と向き合う決心がついたの。だから、ごめんなさい」 「まぁ、まぁ、瑞穂。焦らなくて良いのよ。今日は、大木さんとゆっくり話しをしてみたら良いわ。」 お母さんが、ニコニコしていた。 篤さんは、何を考えているか分からない… ふと私と目が合うと、少し切ない表情をしていた。
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