第1話

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~大学生ですが?~ 「はぁ~、瑞穂。あんたって…酷い…。」 大学1年になって、周りが焦り出していた。 私があまりにも男に興味がなさ過ぎだと…。 まったく…大きなお世話だよ。 「そうゆう、万樹は男あさり過ぎ。」 「ひどぉ~い。もつれた赤い糸を解いていると言ってくれない?」 こんなやり取りは、いつもの事で2人して顔を見合わせ、ププッ と笑ってしまう。 私、浅川 瑞穂と田中 万樹は幼馴染みで親友で…性格は正反対。 大学1年になっても姉妹のように仲が良い。 恋を求める者と、求めない者…。 私は愛は求めない…だって、愛なんて見えないし… 根拠もない…確かな物もない… 万樹の話しそっちのけの私…ぼんやりと空を見る… ちっちゃい空ぁ… 「…瑞穂…みぃ~ずぅ~ほっ。」 「い~だぁ~いぃ~。」 耳痛い… 「瑞穂が悪いっ。」 万樹がギロリと私を睨む。 私も万樹を睨む。 見つめて、見つめて…万樹がお腹を抱えて笑っていた。 「瑞穂…。可愛い顔だし、肌もピッチピチ、頭の先から足の爪の先まで完璧なのに…なんで恋しないの?艶がない。もったいない。」 特にグサリともこない私。 「キレイで居たいのは自分のため。私は誰かの為にキレイになりたいとは思わないの。」 万樹にめいっぱいイ~ッと、ついでにあっかんべ~ 「瑞穂…子どもじゃないんだから。…分かった…もう言わない。だから、大学生活楽しもっ。」 「私…大学生活楽しんでますが?男が居なきゃダメなわけ?」 「はいはい…楽しんでるよね。…じゃぁ、合コンいこっ。」 「だからぁ…。」 はぁ~万樹、聞いてたのかな…? 「万樹…ワザとだね…。」 「だってぇ~瑞穂が居ると盛り上がるんだもんっ。」 甘ったるくすがるように見つめるから… 「もうっ、しょうがないなっ。」 「よっ、オトコ前。」 はぁ~、私も万樹みたいだったら幸せだったかもしれない… そう…私は万樹に憧れている。 私は万樹になりたい… 自由に喜怒哀楽を表に出せる… 好きなものを好きと言える… 時には…嫌いなものも好きと言えるズルさ… 私にないもの…それは人としての感情…かな…
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