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私の頬を伝う涙を長い指が優しく拭う。
彼女…いるでしょ?
勘違いしちゃうでしょ?
私も…好きって…言いたくなるでしょ…?
こみ上げだ気持ちを飲み込んで…長い指から逃げるように体を離した。
「私…恋とか愛とか興味ないんだよね。」
最低な言葉…分かってる。
でも、それしか言えない。
私を見つめる瞳は、その奥で揺らいでいる。
…今どんな気持ち?
私最低でしょ?
でもね…これが私なんだよ…
「私…大木さんと結婚するから…。お母さんもお義父さんも喜んでくれてるから。…だから…もう私に構わないで。」
そう言い放ち車を出た。
車の扉を閉め…私の心も閉めてしまう…。
バタンと閉まる音が真夜中の静けさの中、大きく響いた。
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