第3話

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----- ---------- 翌日、カラッと晴れた空とは裏腹に、泣き腫らした瞼…鏡に映る自分を見て、ため息を漏らす…。 バシッと顔を叩いた。 さぁ、前を向こう。 私の未来は明るい。 そう言い聞かせて…。 こんな時は、部屋の模様替えをしよう。 布団を干して…篤さんに抱きしめられた温もりをはたく。 ソファーも、机も…って元々あんまり家具はないけど、あの日の景色も全て消してしまおう。 そう思って、重い家具を動かした。 持ち上げたソファーに爪が引っかかり、ネイルが剥がれた…。 …お気に入りだったのに。 こうなったら、イメチェン? 汗を書いたTシャツを脱ぎ捨て、ラフなカットーソーにダメージジーパンツを着た。 あとは…髪型…肩甲骨まで伸びたストレートの髪。 髪に触れて、ほんの少し名残惜しくなって… でも、今日変わるんだ…今を逃せば、またダメな私になる…そう思えて仕方がなかった。 変われると思った…。 何時もの美容院へ向かう…。 結城君の事を思い出して、少し胸が痛くなる。 でも通い慣れた美容院、キレイなお姉さん。 別のお店になんて行きたくなかった。
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