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大学のカフェでココアを飲みながらバイト雑誌をめくる私。
「万樹、何か良いバイトしらない?」
「ファミレス?」
「やだ。」
「ガソリンスタンド?」
「もっとやだ。」
「交通整備?」
「ない…ってかわざとでしょ?私がやらないの分かってて…もう。」
「ぷっ…バレた?なんでこの時期にバイトするの?あ、クリスマス近いから?篤さんへプレゼント?」
クリスマス…忘れてた…
「ちがうよ。今年も1人だよ。」
何故バイトをしなくてはいけないかを万樹に説明したら、大笑いされた。
「篤さん、きっとわざと高いメガネ買ったんだよ。」
「え?なんでよ?」
「安いものなら、直ぐに弁償して終わり。でも高価なら弁償するまで瑞穂との繋がりが出来る。瑞穂のマジメな性格はお見通しなのよ。」
そう言うと、万樹はニヤリと笑った。
「篤さん、なかなかやるわね。」
万樹はそう言うと、私からバイト雑誌を奪い、私が出来そうなバイトに赤丸を付け始めた。
「これなんか良いんじゃない?」
万樹が指さす方を見て…
「ゲッ…ウエディングドレスのモデル。バイト料は、一回2万円。どんな内容よ。」
不信に思う私とは裏腹に、万樹は目を輝かせていた。
「キレイなドレスを来て、お化粧して高価なアクセサリーを付けるだけで2万円は、すごい。これにしなよ。」
そう言って、勝手に電話をして日取りを確認していた…
…万樹の思い切りとスピードをついてけない。
本当に大丈夫なの?
不安ばかりが強くなっていた。
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