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万樹が勝手にに決めた、バイト…でも万樹が決めなきゃ、決まらなかったバイト…
私、万樹がいなきゃ生きてけない…なんて考えながら、バイト当日を迎えた。
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「はじめまして、浅川 瑞穂と申します。モデルの仕事は初めてで御迷惑をおかけするかもしれませんが、一生懸命頑張りますのでよろしくお願いします。」
勢いよく挨拶をすると、雑誌編集部のスタッフから拍手が沸き起こった。
「こんな可愛い子がモデルだなんて、きっと良い作品が出来上がるわ。」
そう言って、スラリと背が高く、腰まである長い髪、女性らしさが際立つスーツを着た、編集長の森野 凛さんと握手をかわした。
「早速だけど、スタジオ入りよ。可愛く変身しちゃいましょ。あとはカメラマンの指示に従うだけだからね。」
「は、はい。」
「じゃぁ、まずはヘアメイクからね。」
通された部屋に入ると、緊張から顔も見ずに頭を下げ挨拶をした。
「瑞穂…?」
そう聞こえたような…
ゆっくりと視線を目の前の人へ向ける。
「マジかよ。これって運命?」
「結城君…なんでここに?」
「それはこっちのセリフ。瑞穂もしかしてモデルするの?」
「う…うん。」
急に恥ずかしさがMAXとなり、顔が熱くなってきた。
「2人とも知り合いなんだ。そしたら話は早いわ。要、任したわよ。」
そう言うと凛さんは部屋を後にしてスタジオに向かった。
ど…どうしよう。
知り合いがいる中でモデルなんて…余計に緊張する…
2人きりになって、視線を泳がせる私を見て、結城君が噴き出した。
「瑞穂、さぁ座って。ヘアメイク始めるから。」
肩に手を置かれ、鏡の前にストンと座らされる。
鏡ごしに結城が話し出した。
「俺ね、将来はトータルコーディネート出来る店を持ちたいんだ。だから、色々と経験が必要でね。髪もメイクも洋服も、あ…着付けもね。」
「うん。」
結城君、将来の事…ちゃんと考えてるんだ。目標に向かって突き進んでいるんだ。
「ねえ?なんか…もうチョイ良い反応欲しいなぁ。すごい、カッコいいとか…瑞穂それじゃぁ、あげまんになれないよ。」
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