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瑞穂が、大学生になり22歳になっても、俺達の瞳が交わる事はなかった。
俺もそんな事は、気にも止めず毎日を過ごしていた。
でもある日、瑞穂の親友の万樹ちゃんから電話があった。
万樹ちゃんは、瑞穂とは正反対のハツラツとした性格で、実家の前ですれ違った時に連絡先を聞かれた。
瑞穂が心配だから、何かあったら俺に連絡したいから…そう言った彼女の意図はその時はわからなかった。
それでも義兄らしく…そう思って連絡先を交換した。
そして鳴った呼び出し音…
瑞穂に何かあったのかと思いきや、合コンの誘いだった。
その時初めて、瑞穂が男に興味がない事が心配だと言った。
実際、瑞穂は合コンをスッポかそうとしていた。
俺にぶつかり、俺のお気に入りのメガネを踏んづけて…
俺の顔を見ても、その顔にはハテナマークか飛び散っている。
ハッとして、俺が誰だか理解すると慌てていた。
メガネはぐちゃぐちゃで、俺に気がつかなくて…
瑞穂と初めてしっかり目が合うと、吸い込まれそうになる程に “純粋” と言う言葉が似合う瞳。
ただ…なぜが怯えている。そんな感じがした。
何が瑞穂を怯えさせているのかが知りたくて、メガネの弁償という名目で2人して合コンをスッポかした。
あれこれメガネをかけては瑞穂にどうかと尋ねるも、関心がないようで、その場から逃げだしたいと言う気持ちが伝わってくる。
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