第1話

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大学生活も合コン生活から就職活動へ…。 ------ ------------------ とある講義中。 「疲れたぁ~。瑞穂、私もう就活辞めたい。」 万樹は大きなため息ばかりついていた。 就職難…目の当たりにする現実… それは私も同じ… 小声で 「万樹、久しぶりに合コンしちゃう?」 万樹の目がキラキラ輝いた… 「やるやる。で…あてはあるの?」 「……。」 目を泳がせゆっくり万樹を見ると、鋭く私を見ていた。 「ゴメン…。」 万樹を見るとどんよりオーラ…。 「みんな就活で忙しいかぁ…。」 そう肩を落とす万樹。 で、次の瞬間何か閃いたのか瞳をパチクリさせた。 「瑞穂、義兄さん5つ年上よね…って事は27歳…暇だね。」 「暇じゃない。」 すぐさま突っ込む私。 しかも義兄とは殆ど顔を合わす事はなかった。 元々、母が再婚した時には既に一人暮らしをしていた。 そして大学院を卒業し、大学の研究室で発電関連の研究をしているとか。 だから、義兄に会うのは年に数回… 交わした言葉は…?顔は…? それすらアヤフヤ…。 「万樹…多分無理…。だって私が思い出せないから…義兄を。」 「はぁ?何それ?信じられない。あんなイケメン忘れるなんて。分かった、私が話しつけるわ。」 万樹の合コン本能に火がついていた。 「って…どうやって話しつけるの?」 「電話かければいいじゃん。」 「…?誰に?」 「義兄さんに。」 「誰が?」 「私が。」 「番号は?私知らないよ。」 「私、しってるよ。」 「はぁ~??」 私の声が講堂に響き渡り注目の的となり、恥ずかしさのあまり体を縮こませた。 「前に瑞穂の家の前で会った時に聞いちゃった。」 ルンルンッて身振りがついてきそうな位にテンションが上がっている。 「よく教えてくれたね。」 「そりやぁ、瑞穂の親友って言ったから。」 「言ったからって…ほぼ赤の他人の私の親友に教える?」 疑問だらけだ…。 「ま、いいじゃない。よーし、やる気でてきたぁ~。」 まだ、決まってもない合コンにノリノリの万樹…。 …大丈夫なわけ?イヤになってきた。
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