1 男の叫び

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「いいか!ナンパなんぞスレやラノベにしか存在しない!それが何故か分かるか!?」 「スレも知らねえしラノベなんかもっと知らねえよ!なんなんだよお前!」 「スレ内でナンパは底辺の人間がやることだ!主人公がやるなら話は別だがな。それは主人公とヒロインの恋路を邪魔する悪なることだからだ。挙げ句非行に走れば非難のコメントが殺到しスレ主の精神が崩壊するにまで至るのだ!」 「な…なにが言いたいんだよ。」 「それだけナンパに対する非難があるのだ!今このことをスレ仲間に報告すればあっという間に非難のコメントが殺到することだろう!」 「そ…そんなのそのスレってのの中だけだろうが!」 「分からんか?非難のコメントをするということは現実のナンパ野郎にも非難を向けていると同義なのだぞ?それも哀れみを含んだ目で。それも何万という人がだ。」 「ぐっ…!?」 「周りをよく見てみろ。貴様を見る目は少なくともそれに近い目だぞ?「あんなダサい服装をしてナンパなんて恥ずかしい」「ナンパされてる娘がかわいそう」「通報しようかしら」「ママ~、あの人なにしてるの~?」「しーっ、見ちゃいけません!」「拓也!母さんあんたをそんな風に育てた覚えはないわよ!」などとな。」 「おい待て!なんで母さんが入ってんだよ!あと俺の名前は拓也じゃねえ!」 「様々な目があるからな。もしかしたら本当に通報しようとしている人がいるかもしれんぞ?まして相手は迷惑そうにしているようだしな。」 「し…知るかそんなの!」 ナンパ男は平静を装っているが明らかに動揺していた。
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