68人が本棚に入れています
本棚に追加
◆◆◆◆◆◆
ぼんやりと頬杖をついたまま、窓の外を眺める。
「みや!…朝宮!聞いてるか?」
担任の杉山の声で我に返る。
……ヤバい。全然聞いてなかった。
「…すいません」
「おいおい、大丈夫~?最近いつもだね。……放課後、社会科の準備室に来なさいね」
「…はい」
呼び出しを食らってしまった。まぁ、理由は自分でも分かってる。
何事もなかったなかったかのように、授業を再開させた先生の背中を目で追い、黒板に視線を移す。
そこに書かれた黒板の版書をノートに書き写そうとした。が、すでに何回も消されたあとで、途中まで書いていたノートの文章と繋がらない。
「じゃあ今日はここまでね」
先生の声と同時にチャイムが鳴り、刹那ははぁっとため息を落とした。
最初のコメントを投稿しよう!