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隣のクラスの葵は幼馴染みで学年でも10位までには絶対入っている秀才だ。
長い髪はかなり明るいアッシュで、もともと大きな目にはバッチリ睫毛がついている。
なにもしなくてもモテるのに、と刹那は思うが、我が道を行くタイプの葵には言ったら言ったで面倒なので黙っている。
「葵に頼むのはなぁ…」
ぶっちゃけ抵抗がある。あいつの性格を考えるとすんなり見せてもらえる気がしない。
「あたしに何をお願いしたいの?」
不意に上から降ってきた声。話の中心にいた彼女がいつの間にか後ろに立っていて、刹那はビクッと肩を震わせた。
「び……っくりした-!」
「あっは。今の刹那、小動物みたいだった」
人の気も知らずに葵は刹那の動きに一人で受けている。
刹那は確かにそんな背は高くない。だが、葵みたいな150センチもないようなやつに小動物とか言われたくない。
「誰がっ…」
小動物だ…と思わず口から出そうになったがそこはぐっと我慢する。
今の刹那は葵からノートを借りなければならないのだから。
「刹那、今日ヒマ?」
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