68人が本棚に入れています
本棚に追加
「こ、殺すの!?」
女は恐怖に顔をひきつらせ、追い詰められた小動物のように震えながら後退ろうとして、足をもつれさせて地面に転がった。
「さぁな。お前次第だろ」
紫央(しおう)は女を冷めた目で見下ろし、感情のこもらない声でそう返した。
「ま、まってよ、あれはあたしのせいじゃない!」
「そんなことは百も承知だ。…それでも」
紫央は無表情のまま、女に一歩近づいた。
「お前が望んだ結果だろ」
じゃり、と砂を踏みしめる音が響く。
「ひっ…!」
街灯も届かない、公園の隅。女は尻餅をついたまま、悲鳴をあげることも出来ずに震えていた。
最初のコメントを投稿しよう!