screen1

14/36
前へ
/155ページ
次へ
廊下に出るや否や葵はくるりと振り返り、怒濤の勢いで刹那に迫った。 「あんた、何やらかしたのよ。なんで教えといてくれないの?あたしたち、親友でしょ?」 「うっせぇなぁ。もー、説明すんのもしんどいんだからな。俺だってこんな点数、史上初だ」 口で言うより見せた方が早いので、鞄に入れっぱなしの答案の束を葵に手渡した。 刹那も最初見た時は自分の目を疑った。返ってきたテストの半数は一桁だったりした。 自分で言うのもなんだが、勉強はそこそこ出来る方だ。葵には及ばないが、上位はキープして来た。 それがいきなり赤点で補習レベルのものがてんこ盛りだ。 よくよく見れば、何のことはなかったのだが…。 解答欄がずれてるものが3枚。他は名前が書いてなかったり、凡ミスのオンパレードだった。 「……ばっかじゃない?」 テストから顔を上げた葵は心底ばかにしたように言った。 「そうだろ~。俺もそう思った。……てか言うと思った。だから葵には言いたくなかったんだよ」
/155ページ

最初のコメントを投稿しよう!

68人が本棚に入れています
本棚に追加