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廊下に出るや否や葵はくるりと振り返り、怒濤の勢いで刹那に迫った。
「あんた、何やらかしたのよ。なんで教えといてくれないの?あたしたち、親友でしょ?」
「うっせぇなぁ。もー、説明すんのもしんどいんだからな。俺だってこんな点数、史上初だ」
口で言うより見せた方が早いので、鞄に入れっぱなしの答案の束を葵に手渡した。
刹那も最初見た時は自分の目を疑った。返ってきたテストの半数は一桁だったりした。
自分で言うのもなんだが、勉強はそこそこ出来る方だ。葵には及ばないが、上位はキープして来た。
それがいきなり赤点で補習レベルのものがてんこ盛りだ。
よくよく見れば、何のことはなかったのだが…。
解答欄がずれてるものが3枚。他は名前が書いてなかったり、凡ミスのオンパレードだった。
「……ばっかじゃない?」
テストから顔を上げた葵は心底ばかにしたように言った。
「そうだろ~。俺もそう思った。……てか言うと思った。だから葵には言いたくなかったんだよ」
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