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体が軋むように痛み、耐えきれずに紫央は砂に膝を落とした。 冷えた汗がこめかみを伝う。 ココカラ出セ! 怒気を含んだ低い声が頭のなかに直接響く。 聞きなれた、だが耳障りな声だ。 「騒ぐな、黙れ」 紫央は脳に直接響いた音を、かき消すように緩く頭を振り、低く一喝した。 額の汗を手の甲で乱雑に拭い、痛みに重くなった体を起こす。 しん…と闇に満ちた空気が肌に刺さるようだ。 先程まで漂っていた嫌な気配は消え、辺りは何事もなかったかのように静まりかえっている。 「秋吉さん」 振り返ることもなく、紫央は小さく名を呼ぶ。 紫央の背後からじゃり、と砂を踏む音が響いた。 「大丈夫ですよ、生きてますから」 秋吉と呼ばれた男は、紫央と視線を合わせることなく、倒れている女の傍らへ膝を落とした。 紫央は安堵したように小さく息を吐くと、秋吉に背を向けた。 「あと、頼みます」 「分かってます。君は帰って休んでください」 いつもと変わらない言葉を交わし、紫央は暗い公園をあとにした。
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