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「空良野さ~ん…ありり?いないのかな?空良野さん、いませんかぁ~?いないなら『いない』って言ってくださ~い。空ぉ~良ぁ野さぁ~ん。」
重い頭に、あのイラつく間の抜けた声が突き刺さる。
「あ…ここだ。ここにいる。どうした?」
「いたいた!データ入力済みましたぁ~。でも、あのあと…」
「わ…わかった。すぐに出る。ちょっと待て」
俺はドッシリ深く座った腰を上げた。
「ああ、慌てなくて良いですよお~。大事な“大”の最中にすいませ~ん。出すモノ出してスッキリして下さ~い♪」
「なっ…!?誤解だ!」
飛び出した俺を見て『えぇ~…』と顔をしかめる。
「使用後は流してくださいよぉ~」
「使用していない!」
「うわっ…出す前に邪魔しちゃいました?すいませ~ん」
黒桂は笑いを堪えているの半笑いだ。
「それも誤解だ。今は個室に入っていただけで…その…少し…一人で…その…」
(黒桂のうちに行くのが嫌で悩んでいたなど言えるか!)
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