*~おじぎ草~*

12/25
前へ
/45ページ
次へ
口ごもる俺を見て、 「あっ……と……そう…ですよね。空良野さんだって淡白そうだけど、溜まって吐き出す…いや、抜き出したくなることもありますよね」 『キャッ』と恥ずかしそうなに左右の頬を押さえ、芝居がかった声を出す。 「わかりますっ!俺も健全な男ですからっ!実は入社以来何度か、ここに籠ってマッパで抜いちゃいました。オカズは内緒…テヘッ」 って顔を隠してくれる。 が……勘違いにも程があるっ!! 「ち…違うから…」 「違うの?ちぇっ…せっかく空良野さんと同志かと喜んだのに~。残ね~ん…」 (貴様などと同志扱いするな!このズリ猿がぁぁ!) 疲れがさらにどっと押し寄せる。 「疲れた顔をしてる…大丈夫ですか?」 覗き込むように俺の目を見る。 「あ…ああ…さすがに週末だからな」 (芸の出来る猿以下の人間の相手をしてるんだ。疲れも溜まる…) 心の中で文句を言っている俺に 「後で肩を揉ませてください。立ったままだと、俺の方が低いから、座った時に…ねっ♪」 そう言うと、黒桂は先に戻っていった。
/45ページ

最初のコメントを投稿しよう!

114人が本棚に入れています
本棚に追加