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「こちらから友人を求めたこともなければ、恋人を欲したこともない」
「じゃあ…今まで友人も恋人もいなかったとか?まさかぁ~」
意外そうな声を出し、黒桂は自分のココアを飲む。
「自ら作らなかっただけだ。友人に関しては、みんなそれとなく勝手に離れていった。それに言っておくがモテなかったワケではない。小学生時代から告白もされれば、強引に付き合わされたケースもある」
「まあ…それは空良野さんのルックスを見たら納得なんですけどぉ…」
それでいながら、 どこかまだ 納得できていない表情だ。
「俺…前にも言ったけど…空良野さんが今までどんな人と付き合っていたのか知らない…でも、俺は俺の知っている目の前の空良野さんが好きです」
「俺は黒桂に対して、仕事上の関係以外を求めていない。黒桂が男だからと言う理由ではない……自分以外の誰かに合わせなければならないのが面倒なんだ」
「合わせる必要なんかないです。今のままで……俺には素敵すぎるくらい素敵なんですよ」
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