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「だからぁ~、俺と付き合ってみるんです。俺が空良野さんに合わせます。空良野さんは普段のいつも通りの空良野さんでいてください」
「全く黒桂の意図を読み取ることはできんが……こんな無駄な議論をする時間が勿体ない。だから、好きにすればいい」
「いいんですか?」
飛び跳ねるように喜んでいるが、何が嬉しいのだか。
「じきに飽きるだろ?」
「あ、飽きませんよ!飽きるわけないでしょ!」
「はいはい」
「“はい”は一回ですよね?空良野さん」
こんな時だけいちいち揚げ足をとってくる。
「そうだったな。すまない」
「いえいえ。それより、明日の御予定ってありますか?」
「何故、聞く?」
「聞いてみただけです」
ココアを飲みながらすました顔で聞いてくる。
「気に入った映画を観に行くだけだ」
「へえ~、そんな映画がやってるんですね」
「次で観るのが5回目だ」
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