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お守りを任された相手は、黒桂雄飛(つづら ゆうひ)。
大学を出たばかりの新人で、我が会社の会長の外孫だ(ちなみに社長は叔父)。
そのうえ……
このことは、上からの命令で内密にしておかないといけない。
その理由は、身内びいきのコネ入社だから。
いくらそれでも、“少しは”と期待もしてみたが……
はっきり言って、現代っ子お得意のパソコン以外、他は全く使えない…。
大学はまずまずのところを出てるはずなのに、一般常識まるでダメ。
“あいさつ”は『ナンデスカソレ?ヒツヨウデスカ?』と言った具合だ。
いったい、何をしに大学まで行ったんだ?
挨拶なんて、幼稚園児ですら習う、基本中の基本だろ!
『チューッス』『さいなら』って、中学生かっ!
「成人男子としての誇りはないのかっ!」
入社一発目に注意したことがコレって…。
しかし黒桂は『ホコリ?』と首を傾げる。
「まだ、スーツ新しいから、埃なんてないですよぉ」
口を尖らせ不服そうに、パンパンっと新品スーツをはたいていたっけ…。
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