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『君は、無関心なようでいて、場を見る力に長けているからね。あちら様も、そう言う君の能力をよくわかっておられるから…』
『ありがとうございます。でも、買いかぶりすぎです…自分なんて、まだまだ…』
そんなこと微塵も考えていないのに、俺はまた自分の役を演じる。
『またまた…君はすぐそうやって自分を過小評価する。よっぽどでないと褒めない誘わない気難しいで有名なあちら様が、毎回君をご指名なうえべた褒めだよ。もっと自信を持っていいよ』
俺は空気は読まないが、自分を卑下する演技を社会人になって覚えた。
俺が本気を出せば、ここに参加中のおじ様連中は一網打尽にしてやれる。
しかし、敢えてそれはせず、本気で引き立て役にまわる。
『空良野くんとだと、気持ちよく帰れる』
俺は最後にこの台詞を吐かせることに集中すれば良い。
だからと言って、それはあくまでそういう相手限定だ。
それなのに、今回はそれが裏目に出たのか、どうして、この俺がこんな面倒なガキモドキの相手を何故…しなければ……?
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