漢文の世界観を字に。

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書きたいものが書けず、煮詰まって いた私の机を竹のかげがおおった。 煮詰まって考えている間に日が落ち てきたようだ。 しかし、私の考えていた事と随分と 違った様で、竹のかげが机をおおっ たことで机の上の書きかけの書物達 が光を失うこともなく琴などの楽器 やほかの書物と共にかげに覆われず 潤ってみえた。 それから、花の香りが窓からやって きて、光を失わなかった書きかけの 書物や文字をつくりだしている筆、 硯などに、気まぐれな優しい花の香 りが舞っているようだった。 それはまるで、 光とかげ、香りのカーニバル のように。
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