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「塚本さん!塚本さん!」
周りに集まってきた人影は僕の体を揺すり、肩を叩き、目を開けろとばかりに耳元で声をかけてくる。
記憶が頭の中で暴れだす。
死ぬべきだった。と、
生きていても価値などない。と、
伝う涙は枕に吸い込まれた。
強制的に瞼を開けられ、目映いペンライトで照らされた。
「意識は戻っているようですね。
返事をされないのは何らかのショックを受けてらっしゃるのかもしれません。
引き続き経過観察をお願いします」
やはり、これが現実。
手に力を入れて動かそうとすると、ベッド柵がかチャリと鳴った。
流れ出る涙を拭う事すら敵わないらしい。
僕は、自殺を図ったのだ・・・
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