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「ん…、ここは…何処だ?」
目が覚めて辺りを見渡すと、白い壁と天井に覆われた場所だった。
「気がついたかの?井上 亮や。」
「あんた、誰だ?なんで俺の名を?」
さっきは誰もいなかった所に、髭面の見るからに年老いた爺が居た。
そしてその爺は、俺の名前を呼んだ。
「口の聞き方が少々悪いのう、まあよい。
儂は神様じゃ、神ならばお主の名を分かるのも当然であろう?」
「…なんで俺はこんな所に居るんだ?」
いきなり神様と言われて、驚きと胡散臭さが残るが…。
とりあえず、俺がこんな場所に居るのか聞いてみることにした。
「ふぉふぉふぉ、信じられんかの?
お主がここに居るのは…少し不憫な死に方をしたからじゃ。」
「やっぱり俺は死んでたのか…、少し不憫な死に方をしたと言ったよな?
どんなのだ?」
さらっと心読まれたことはひとまず置いといて、どんな死に方をしたのか聞くことにした。
「聞きたいかの?
直接、その一部始終を見ていた者としては、少々キツいものであったが…。
そうじゃ、頭の中にお主が事故の一部始終でも流してやろうかの?」
「…いや、なんとなく想像できたからいい。」
「そうか、つまらんのう。」
つまらんって、この爺…。
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