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P.m.8:20
カラン……
「ただいまーーっ!」
元気な声が店内に響き
『cafe BILLY』のドアベルの音を打ち消した。
美加である。
「辰也、今日は会社の人連れて来たから、私は客な……あっ!ラッキーーぃ。テーブル空いてるじゃん」
美加の後から男が三人、店に入って来る。
テーブル席に陣取った美加達の影響で、店内の雰囲気がガラリと変わった。
「うるさいなぁー」
眉をしかめた桃華が一人言のように呟いた。
四人とも既に酔っていて、かなり騒々しい。
ブルースの流れていた店内の雰囲気が、ぶち壊しだった。
「辰也、生四つ!この人は課長の酒井さん」
美加がテーブル席から大声で辰也に話し掛ける。
酒井と紹介された男は、一人だけスーツ姿で、後の二人は美加と同じくラフな私服姿だった。
「桃華。いったん撤収するよ」
マリは、不機嫌な様子で美加を見つめる桃華に耳打ちすると、強引に桃華の腕を引くようにして二人は居間へと消えた。
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