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「落ち着いて桃華!」
今にも飛び出しそうな桃華の肩を掴み話しを続ける。
「今はまだ様子を見るしかないよ」
「………でも」
「店に入って来た桃華のママと、スーツの奴見た瞬間、嫌な予感がしたんだ。
あの人達が来て店の雰囲気が変わったじゃん?
私達もこっちに引っ込んだし……
カウンターのお客さん達は、もうすぐ帰るからそこからが勝負だよ」
「……どう言うこと?」
「こんなに店の中がうるさかったら、カウンターのお客さん達も居心地悪いじゃん。みんな普段の店の雰囲気が好きでここに来てるんだし……
マスターには『砂漠のウワバミ』がバレバレだった事、気が付いてた?
マスターは頭の良い人だから、マスターの出方を見て、私達は動けば良い」
「マリちゃん……ゴメン。
マリちゃんの言ってる事の意味、わからないよ」
「マスターだってカウンターからテーブル席じゃあ、遠すぎて対処出来ないじゃん。
だから、もしマスターに、あのスーツの男を撃退する気があれば、カウンターのお客さん達を帰しちゃって、桃華のママ達をカウンターに呼ぶと思うんだあー」
「辰ちゃんは、どうやってお客さん帰すの?」
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