第2章

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 俺と自販機くんは、業者にこれまでのことを説明した。 「そうか…君たちもこの世界に迷い込んだ人たちなのか」  迷い込んだと言われれば、そうかもしれない。俺も自販機くんも気づいたらこの世界にいたんだ。業者の言葉は、間違っていなかった。 「はい。俺は歩いている途中にいつの間にか、この世界に来ていたんです。理由は、わからないんですけど」 「僕は、気づいたら自販機で」 「そうだったのか…逃げたりしてすまなかった」  業者は立ち上がり、自販機くんに向かい直った。 「いえ、そ、そんな…」 「それと、君の名前は自販機くんでよかったのかな?」 「あ、はい。そうです。あと、そちらは…」 「相模 弦一郎です。よろしくお願いします」 「ああ。俺の名前は高田 利保(こうだ としやす)だ」  高田さんは、俺と自販機くんを交互に見た。 それから、「二人ともよろしく」と言った。  
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