第2章

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 高田さんは、俺たちにこの世界へ来た理由を話してくれた。  理由は、こうだった。 ーーーーーーー 「すいませーん!この自販機こわれてるんですけどー!」  高田さんの話によると、この自販機の近くに人がいたそうだ。その人は、自販機が壊れていると言って高田さんを呼んだらしい。 「今、行きます!」  ちょうどその頃、高田さんは台車の上に飲料の入った段ボールを乗せていた。  高田さんは、急いで段ボールを乗せた。  台車を押してその場に着くまでの時間はスローモーションのようにゆっくりだったそうだ。徐々に自販機との距離が、縮まっていく。その間に高田さんを呼んだ人は、その場から去っていこうとしていた。 「おーい!ちょっと待ってくれー!」  高田さんが呼び止めても、その人はどこかに消えてしまったらしい。高田さんが自販機の前に着くと、自販機くんが挨拶をしたので、慌ててその場を立ち去った。  目が覚めると高田さんは、車の中で仮眠をしていた。  全部、夢だったんだ。高田さんは目が覚めた時、そう思ったらしい。だが、その夢は高田さんが休憩時間に仮眠をすると、毎日みたと言う。ある時、その夢をみるのが恐くなった高田さんは寝るのを我慢した。  けれども、いつの間にか高田さんは眠りに落ち、その夢をみた。  そんな時、夢の中で誰かが言ったらしい。 『ここは、夢の世界であって…夢じゃない』 ーーーーーーー
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