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表情が読めない自販機から、困りますと言われた時に自分の推測が確信に変わった。
「やっぱり、困ってたんだ」
「そりゃ困りますよ。一応、人間なんですから。こう見えても」
しゃべり方は、人と同じで機械音じゃない。男の声だった。
「今日も1日ご苦労様です」
「聞き覚えあるんですけど…なんでしたっけ?その台詞…」
可笑しなことだった。
この自動販売機で飲み物を買うと決まって言う台詞を、俺は言った。
だが、まるで他人ごとだ。過去に何回も、自分の機体から発せられた言葉がわからないんて…。そこで、彼が人間であることを、俺は認めるしかないと思った。
「やっぱり人間なんだ」
「え?あ、はい。さっきから、言ってたんですけど…信じていなかったんですね」
俺は、一つ疑問に思うことがあったので「半信半疑かなー」と言って素直な感想を述べた。
彼は、何かを表現したいのか、押しボタンの灯りを点滅させながら言った。
「そ、そんな…」
二言目には、困りますと言い出しそうな彼の言葉を待たずに質問を投げかけた。
「あと、質問したいんだけど、なんで人間である君が自販機の格好をしてるの?」
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