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「それはつまり、抱いても良いってこと?」
葉月の綺麗な顔から、そんなストレートな男らしい言葉が出るなんて違和感を覚えつつもドキドキしてしまう。
だが! 抱かれても良いと思ったからドキドキしたわけじゃないからな!
「いや。でも両思いなら恋人になっといて愛を育もうかと」
「――小学生ですか」
ばっさりと吐き捨てた葉月は妖艶な笑顔を貼り付ける。
――てか、恋人にはならないのか。
「じゃあいい。ごちそうさん」
半分も食べないで立ち上がると、俺は二階の階段に向かって歩き出す。
困ったな。
どうすれば恋人になってくれるんだろ。
け、結構、本気で俺アタックしまくってんのに。
「けい君待って!!」
強く腕を捕まれたと思ったら、ふわっと葉月の匂いが薫り立つ。
ハンバーグと香水と、シャンプー、葉月は俺の好きな匂いばかり付けている。
「んで、なんで後ろから抱き締めてんだよ。
俺を振ったくせに」
「――振ってません。俺はけい君が……」
そう期待を持たせる言葉にカッと頭に血が上る。
俺は葉月の腕から逃れると、
床に葉月を押し倒した。
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