10年越しの、ILOVEYOU!

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「お待たせしましたっ」 最後の客が帰り、スタッフが清掃を始めるとすぐに葉月は駆け寄ってくる。 「清掃とかスタッフの練習はいいのか?」 内心では飛び付きたいぐらい嬉しかったんだけど、敢えてぶっきらぼうに言ってみる。 どうだ。 だが葉月はクスクス笑う。 「君の進路はこの店のみんなの命運がかかってるので」 そう言われるとムッとしてしまう。 「なんだよ! 葉月はみんなに言われただけかよっ」 心配してくれてるのかって嬉しかったのに。 ふいっとそっぽを向くと、くるりと葉月は俺の視界まで回り込んで俺の顔を覗き込む。 「抱き締めたいぐらい可愛いです。けい君」 「~~! 男に可愛いとか言うなっ」 「けい君だって俺を女の子みたいとか綺麗とか言うじゃないですか」 「俺はいいんだよ」 何が良いのか分からないけど、俺のそんな発言にもやっぱり葉月は目を細めて笑う。 「どこで食べます?」 そう言ってくれたけど、俺は数メートル先のスーパーを指差す。 「手作りが食べたい」
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