10年越しの、ILOVEYOU!

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ペタン ペタン ハンバーグのタネの空気を抜く葉月の背中を、椅子の背に顎を乗せながら見つめる。 葉月が着ている青のチェックのエプロンは、俺が中学の時に家庭科のミシンの授業で作ったやつ。 上京してお金もない葉月を、うちの親が空いてる部屋を貸してて、家賃がわりに葉月は料理を作っていた。 俺が高校生になって何度か夜這いを試みては鍵を増やされ、とうとう貯金も貯まって出ていってしまった。 くっそ。既成事実を作ればよかった。 「けい君暇ならサラダを混ぜてよ」 「暇じゃない。葉月の背中見てる」 「それを暇って言うんです」 慣れた手つきで両親の分も作ってるのが見えてイラッとする。 俺だけに作って欲しいんだけど。 ギィーッと床を擦りながら椅子のまま葉月の横に寄り添う。 「サラダどれ?」 「この卵とカボチャとキュウリを混ぜて下さい」 「…………」 「あの、けい君?」 「何?」 「お尻触るの止めて下さい」 絶対にやだ。image=483768749.jpg
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