10年越しの、ILOVEYOU!

7/16
299人が本棚に入れています
本棚に追加
/25ページ
はああ。 葉月は諦めたようにため息をつくと、さっさとフライパンを持って、コンロの方へ歩いて行く。 フライパンを熱しながらチラリと俺を見る目は、諭すような年上の目だ。 「中1の時に夜這いに来た時は、まだ可愛かったのに」 「可愛くねーよ。お前がベットから蹴飛ばすから床に落ちてむち打ちした!」 「中2の夜這いでは、ロープなんてもって来ましたよね」 「葉月は催涙スプレーで全然触らせもしなかった」 「――中3で初めて組み敷かれましたよね」 「……葉月が抵抗しなかったからだ」 ジューっと肉がフライパンに落とされて、音と共に牛肉の甘い肉汁が薫りを放つ。 涎が出るぐらい良い薫り。 ……じゃなくて。 「ヤろうとしたら最後までできたのに、けい君、震えて怖じ気ついてさ」 クスクス笑う葉月に腹が立って、お尻をバシンと足で蹴る。 すると堪えきれずにプハッと笑い出した。 「葉月が悪い! 好きじゃなきゃ体は許したらいけないのに!」
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!