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「わざわざ抱かせる為に夜這いなんかするか!」
「――えっと俺を抱くの?」
葉月が目を丸くして、自分を指差す。
葉月は自分がどれぐらい綺麗か分かってないんだ。
「勿論。俺は8才の時から葉月を嫁にしたかったからな」
「……じゃあ脱ぎますよ? 男なんですから、胸なんてないですよ?」
腕をくろすして、艶かしく服を脱ぐ。
――その時葉月は、脱いで俺が男の裸で目を覚ますと思っていたのかもしれない。
でも逆効果だ。
月明かりの下、白く浮き上がる葉月の身体を見たら、狂おしくて堪らなくなる。
それでいて、
誰かのモノになる前に、と手を出そうとしていた俺がガキに見えた。
好きなら、
愛してるなら、
まずは身体からなんて間違えてた。
そんなの、ちょっとおかしい。
「あのさ、葉月」
「――はい?」
「俺の事好き?」
自分の気持ちを押し付ける一方的な態度ばかりだったけど、
葉月は俺に抱かれる覚悟を持ってくれる程度には好きなのか?
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