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「シャワーありがとう。」
タオルで頭を拭きながら、宇野ちゃんが入ってきた。
「どういたしまして。」
そう答えて、グラスを差し出した。
「うわっ、おいしそ~!」
「お疲れ気味の宇野ちゃんに、ぴったりの物がたっくさん入ってるからねぇ。」
「ありがとう!いただきます!」
笑顔のまま、グラスに口を付け、一口飲んだ。
「おいしい!おいしい!」
宇野ちゃんの反応を見て、私も口を付けた。
おいしっ。
「いやぁ、これ毎日飲めたら幸せだなぁ。」
「毎日泊まる気かい!」
ふふふっと笑う宇野ちゃんを見て、私も笑う。
「千晃、だ~い好き。」
「はいはい、知ってる。」
ニコニコしてる宇野ちゃんは可愛いくて、こっちが恥ずかしくなる。
「ごちそうさまでした。」
「お粗末さまでした。」
空のグラスを受け取りながら、そう言うと、宇野ちゃんはまた笑う。
「何か、おばあちゃんみたい。」
「ヘ?」
「お粗末さまでしたって、ウフフ。」
何だかツボに入ったらしい。
「はいはい。早く頭乾かさないと、遅刻するよ。」
「やべっ。」
そう言って、宇野ちゃんはリビングから出て行った。
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