105人が本棚に入れています
本棚に追加
/169ページ
「さてと。」
宇野ちゃんの事言ってられない。
自分も準備しなきゃ。
台所に戻り、グラスとジューサーを洗っていると、洗面所から宇野ちゃんが出てきた。
「お着替え、お着替え。」
パタパタと奥の部屋に入って行った。
その動きが可愛くて、思わず笑みがこぼれる。
「千晃~、これ借りてもいい?」
「ん~?」
手を拭きながら、私も奥に行った。
「これ。」
そう言って、最近買ったブラウスを見せた。
お店で見た時に、宇野ちゃんっぽい!と思って、一目惚れして買った物だった。
「可愛いでしょー。」
「うん!私好み!」
「貸してあげる。てか、私より似合いそう。」
「そうかなぁ。」
鏡に向かって合わせている宇野ちゃんを見て、やっぱり似合うと思った。
「似合う、似合う。」
「おっ!やばっ。今日、朝一で会議なんだ。早く行かなきゃ!」
「先行ってて良いよ。」
「そう?ごめんね。いつも、泊めてもらって助かります。」
着替え終わった宇野ちゃんは、ぺこりと頭を下げて、カバンを肩に掛けた。
「忘れ物無い?」
「ふふっ。たぶん大丈夫。」
笑いながら答える宇野ちゃん。
「千晃、お母さんみたい。」
「もう!早く行って。」
「ごめん、ごめん。今日のランチはおごるよ。」
「うん。じゃ、またね。」
「いってきます!」
宇野ちゃんが出たのを見送って、自分も着替え始めた。
最初のコメントを投稿しよう!