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会社に到着。
更衣室で受付の制服に着替える。
「よし!完璧!」
鏡でのチェックをして、受付に向かった。
あれ?こんな早くに、もうお客様??
受付の前に、スーツ姿の方が見えた。
「おはようございます。すみません。お待たせしました。」
小走りで近づいて、声を掛けた。
「あっ!おはようございます。いやいや、客やないんで。慌てさせて、すみません。」
振り返った男性は、耳を赤くして、少しなまりのある話し方で、早口で答えた。
「そうなんですか?」
小さな顔にすべり台のような鼻、サラサラな髪で、スラッとした男性だった。
「すみません…。」
男性は、もう一度謝って、髪をかき上げた。
「いいえ。どのようなご用件ですか?」
客ではないとはいえ、用事があってここにいるのだろうと思い、聞いてみた。
「あっ、関西営業所から本社に異動になった與真司郎といいます。今日から浦田さんの部署で…」
と話している途中に、聞き覚えのある声が後ろから聞こえた。
「おはよー!ごめん。真司郎、お待たせ!」
リーダー…。
背の高いリーダーが、歩いて来るのが見えた。
「おっ、千晃。おはよ。」
「リーダー、おはようございます。」
「今日もちっちゃいな。」
私の頭を、ぽんぽんしながら笑う。
「ちょっ。」
髪を直しながら、抗議しようとしたら、リーダーは與さんと話し始めていた。
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