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「じゃ、行こうか。案内しながら、うちの部署連れてくよ。」
「ああ、頼むわ。」
ん?リーダーにタメ口なの?
「失礼します。」
與さんはこちらに会釈をして、リーダーについて行った。
小坂さんと私も会釈を返し、顔を上げると前からにっしーが歩いて来るのが見えた。
「おはようございます。」
爽やかに挨拶しながら、受付の前で立ち止まった。
「おはよう。西島くん。」
「おはよ。こっちから入って来るの珍しいね。」
普通、社員は裏の社員用の通用口を利用する。
「今日、朝からお客様が来るから、受付にお願いしに来たの。」
そう私に答えて、小坂さんの方を見ながら、時間とお客様の名前を伝えた。
「いらっしゃったら、内線下さい。一応、僕が来ますが、第2会議室使う予定です。」
「わかりました。」
小坂さんが来客予定欄に記入するのを見ていると、にっしーのスマホが鳴った。
「では、お願いします。」
にっしーは小坂さんに頭を下げて、スマホを手にしながら歩き出した。
電話に出る一瞬、私の方を見て笑顔を見せ、軽く手を上げた。
私もなんとなく手を上げ、姿が見えなくなるまで見ていた。
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