第1章

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「どう言うこと? 何で毅がママの子供なの? 毅はどんな気持ちで母親を待ってたと想うの? 今日こそは…って… 毎日毎日お母さんを待ってたの。 きっと来てくれるって。 ちゃんと説明してよ。 毅は自分の運命に絶望して、 死のうとしたことだってあるんだから… ママなんて親じゃない。 私のママなんかじゃない。 大嫌い。 どこかに行ってよ!」 ママはごめんなさいと言うだけで、 ちゃんと説明をしてくれない。 謝られたって… 毅はもう、 毅とはもう… 二度と逢えない。 二度と逢えない…? イヤ。 毅と逢えないなんて、 イヤだ。 耐えられない。 そんな事、 受け入れられないんだから… どうやって自分の部屋に居るのか… 全然思い出せない。 毅の部屋を出て駅に向かったのは覚えてる。 マフラーで口元の上まで隠して、 うつむいて歩いたのも、 少しだけ覚えてる。 だけど… 気が付いたら自分の部屋で ママが謝ってて… 謝るぐらいなら…どうして…
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