第1章

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*** 部屋のドアをノックする音で目が覚める。 ああ… 寝てた 何時だ? 11時。 明るいから朝か。 起きあがると頭が取れそうなほどズキンッとする。 それでもドアが壊れるんじゃないかってほどの勢いで叩かれるから、 痛い頭を抱えながら、 玄関を開けた。 誰だよ… 「ああ。よかった。 おまえは無事か。」 マスターだった。 「マスター…店は?」 何でここに? 何も話していないのに。 「それどころじゃないんだ。 麻美ちゃんが手首を切ったって。 薬を飲んで… おい… やっぱり兄妹だったのか…?」 目の前から色が失せる なんて事だ。 「あ、 自殺未遂らしいけど、病院に運ばれて、 今、手当を受けてるらしい。 詳しいことは解らないんだ。 おまえの電話の電源が入っていないから、 店に優子ちゃんが電話してきた。 おまえの方は大丈夫かって。」 頭が痛いのなんてすっ飛んでた。 コートと財布と鍵を持って部屋を飛び出す。 「おまえが入院してた病院らしいぞ!」 マスターの声が背中で聞こえて… 駐車場まで猛ダッシュで…
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