Blue season's

3/10
前へ
/21ページ
次へ
閉店間近のスーバー。 スカスカの陳列棚。 残り少ない惣菜を 無造作にカゴへ入れ サクサクと 買い物を済ませた。 その帰り道。 不規則な列を 夜ごと 規則正しく 描いていた星の姿が 見当たらない。 (明日は雨だな…) 人通りのない 生活道路の真ん中で ふと立ち止まり 買物袋を ダラリとぶら下げ 頭上を見上げる。 あんぐりと開けた唇が 乾いていく。 冷たい空気を 思いきり吸い込んだら ツンと痛む鼻腔。 何かが緩み じんわり滲む涙― 明日からもまた 紡がねばならない日常。 季節ばかりが過ぎていく。 『時の流れ』に 解決できないことはある。 片時も忘れずに 生きてゆけるはずである。
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加