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鉛筆の濃淡のみで
デッサンされた
あまりにも寂しげな
その風景画は
明かりの下に広げても
全体的に仄暗く
場所はおろか
時間や季節もわからない。
草木や花々らしきもの
山や小川や水平線らしきもの
おおよそ
時間や季節のすべてを
詰め込んだかのような
ありえない景色。
だとしても
その一枚の
切り取られた景色は
結がどこかで
見たであろう景色である。
(どこかに必ず この場所があるはずだ…)
そう信じてしまうのも
やはり
仕方のないことである。
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