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明るい日差し。
木漏れ日溢れる森のなか。
男の人と女の人が泉のほとりに向かい合って座っている。
哀しげな表情を浮かべて。
「…なぜ、この時代に生まれてしまったんだろうか」
「…それは…」
「いつかはやって来るのだろうか?身分も家柄にもとらわれぬ時代が…」
「……そうですね。そんな時代がくるといいですね…」
「…私の気持ちは変わらぬ。それだけは信じていてくれ」
「……はい。私もです」
そうして二人は短く抱きしめあった。
ぱちっ。
そこで目が覚めた。
カーテンの隙間から陽が差している。
時計をみると6時少し前。
私は目覚まし時計を止める。
「また、あの夢、か…」
少しため息をつく。
いつも同じ夢を見る。
いつもはもっとぼやけていておぼろげだったけど。
今日はとても鮮明だった。
なんでだろう?
うーん。
1つ、伸びをして。
私は着替えをした。
ちょっと、散歩でもしてこよう。
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