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ピッとどこかで音が鳴り、空気の抜ける音もした
扉が開く
「これがあの女の研究ですよ」
女が部屋の中の一点を指差して言った
-嘘-
56号は目を背ける
女は部屋の中に入った
「真実です。見なさい」
部屋の中は赤一色で塗られている
-嘘、嘘に決まってる…-
目を背けていた56号は心を決め、部屋の中に視線を戻す
「あの女の研究は、あなたを作ることだったんです」
ある台の側にいる女が言っている
「しかし研究費用が出てこない」
女の足下に置かれているのは、奥行きや高さなどが大きい檻である
女はそれを蹴飛ばした
鉄が曲がる音がして、檻が変形する
「そこであの女は人間を使ったのですよ」
檻の中に白骨があった
それを指差す
56号は嘘嘘嘘嘘と呟きながら部屋を見てゆく
「嘘じゃないです」
部屋は飛び散った血液で真っ赤に染まっている
女はその中を歩き、部屋を出た
「あの女は、あなたと同じ物を欲しがったのですが」
「どうしても脳のコンピューターが解けなかったのです」
「R-56、脳というのは5%しか使用していません」
「わたしはこう考えます」
「“100%使用すると、死ぬ”」
-死ぬ?-
56号が静かな声で聞いた
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