ある朝

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椅子に腰掛け、頬杖をついた 外を向いたそのままの体制で教授が口を開いた 「56号、」 言いかけたその時だ 誰かが窓の外からヘリコプターで教授を蜂の巣にした マシンガンで撃ち抜かれた教授の華奢な体は、あっという間に肉片へ変貌する 56号と呼ばれたロボットはカプセルの中から始終を見ていた 片目しかないその顔に、一筋の水滴が流れる 定期的に流れるウォッシャー液なのか、それとも涙だったのか 答えは56号しか知らない
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