ゼロの小さな挑戦

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「ビュー! そんな情けねえヤツ、介抱してやる事ねえんだからな!」 ちびっ子魔女の暴言にも、眉毛をちょっと下げるだけ。このチームで一番の癒し系は、実はふくよかちゃんよりもこの筋肉男なのかも知れない。 「まあまあ、そう怒んないで。アルド死んでるみたいな顔色だから、あったかいスープ作ったよ?? ちょっと起きて飲んでみない??」 ふくよかちゃんがホンワリ言うと、ひょろ長君の瞼がピクピクと僅かに動いた。 「すまない……ありがとう」 まだ具合が悪いのか目やら額やらを一通り押さえてから、ひょろ長君がゆっくりと目を開ける。 そして、その目が限界まで押し開かれた。 絶叫。 このダンジョンができてから、最も酷い絶叫だった。ゼロなんかその絶叫にビックリして椅子から転がり落ちたくらいだ。
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