ゼロの小さな挑戦

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「仕方ないかぁ」 ちょっとふて腐れ気味に功夫の構えをとるふくよかちゃんの前に、筋肉男がゆらりと立ちふさがる。 巨大な筋肉の塊としての純粋な威圧感と、ゴーストから醸し出される不気味さが相俟って、とにかく気持ち悪いし怖い。愛嬌のあった顔も今では気持ち悪さを増すばかりだ。 「生意気な小娘ども……よかろう、この体の扱いにも慣れてきた。少々手合わせしてやろう」 ひひひひひ……と重低音の気持ち悪い笑いを漏らしながら、筋肉男がアックスをビュンビュンと振り回す。 あまりの気持ち悪さに、俺はたまらずゼロとグレイを振り返った。 あ、ゼロはもはや死んでるわ。 「なあグレイ、このゴースト怖すぎだろ」 「そうですな、思った以上に拾い物でしたな」
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