8669人が本棚に入れています
本棚に追加
「仕方ないかぁ」
ちょっとふて腐れ気味に功夫の構えをとるふくよかちゃんの前に、筋肉男がゆらりと立ちふさがる。
巨大な筋肉の塊としての純粋な威圧感と、ゴーストから醸し出される不気味さが相俟って、とにかく気持ち悪いし怖い。愛嬌のあった顔も今では気持ち悪さを増すばかりだ。
「生意気な小娘ども……よかろう、この体の扱いにも慣れてきた。少々手合わせしてやろう」
ひひひひひ……と重低音の気持ち悪い笑いを漏らしながら、筋肉男がアックスをビュンビュンと振り回す。
あまりの気持ち悪さに、俺はたまらずゼロとグレイを振り返った。
あ、ゼロはもはや死んでるわ。
「なあグレイ、このゴースト怖すぎだろ」
「そうですな、思った以上に拾い物でしたな」
最初のコメントを投稿しよう!