【白の章】出会い

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 彼女は菖浦彩(あやめあや)。俺と仁の幼馴染みである。背は俺より高く髪はショートと至って普通。成績は普通で性格は大雑把。俺と同じカードゲーマーでよくこの地区でもプレイしているが、そのプレイングの酷さから周りのプレイヤーからこう呼ばれていた。 「どうしたプレミ? またドローし忘れたか?」  俺がそんな皮肉を彼女に言った。すると彼女はこう言って返した。 「まぁた黙ってカード大会出やがったな! 罰としてプロモカードよこせ」 「何処のジャイアンだよお前。 大体今日田上屋で大会あんのはお前も知ってただろ?」  俺がそう言ったら彼女は更にこう言った。 「あんたがいなくなってからウチのカードサークルは殆ど壊滅状態。 仲間は絶賛ニート予備軍化してんの。 それくらいの施しがあってもバチは当たんない。 これ、管理者権限」 「何処にそんは権限がある!? そんなもの核か何かで滅びてしまえ」  俺のそんな一言は彼女にはこの様に作用した。 「ならカードよこせ! 友達権限!」 ――結局カード奪うのかよ!  そんな俺の考えは露知らず彼女は続ける。 「今日の田上屋の大会は確かに知ってた。 けど今日は別のカードのイベントが秋葉(秋葉原)であったの。だからそっち行ってただけ」
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