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俺は胸中を察したと言った感じにため息混じりにこう言った。
「どうせまたお前の【流行り病】だろ?
何で毎回新作のカードゲーム出るたびに手を出すかねぇ~?」
――痛いとこ突いてやった。
そんな俺の発言に彼女はいつも通りこう言い訳した。
「今日はまだプレイヤーもレベル低かったし。
結構勝てたし。
……プレミしたけど。でも!
それは単に今日のカードゲームがアタシのプレイングに合わなかっただけなんだからね!!」
何時もこうである。何かにつけてカードゲームで失敗すると彼女は「カードゲームがアタシに合わない」とそう言っていた。
言いたいことはまぁ解らなくもないがこうも毎回だと正直突っ込むのも厄介になる。
なので俺は今回もこうする事にした。
「ほれ。欲しけりゃこんなカードくれてやる。別に使う気もないし」
そう言って俺は何時ものように優勝賞品を彼女に差し出した。
差し出したカードをその場で素早く奪取する彼女は、悪役などによくある禍々しい笑顔でこう言った。
「フンッ。初めからそうすればいいものを!
ではこのカードは頂いていく。さらばだ!カッハハハァ~!」
笑いながら後ろ手に手を降りながら彼女は颯爽と駆けて去っていく。
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