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「悪いが先いくから、早く家へ帰れよ」
今の反応は割と正解だった筈だった。
彼女が後ろから俺の腕を片方で掴んできた。
目的は定かではないが、これでは俺は先に行けない。
なので、俺は再度その少女に聞き返す。
「何か用があるなら言ってくれないと分からないんだけど。
それともただの嫌がらせか?
とにかくその腕を放してくれ」
俺が少女に要求すると、少女は言った。
「なら、カードゲームしてください。それが私の用件です」
成る程、単に遊んで欲しいだけか。確かに最近じゃこれくらいの子供がカードショップが閉まってからも一人で居ることはそう珍しくない。
何処で情報があったかは知らないがどうやらそのプレイヤー探しの相手が俺だったわけだ。
俺は快くそれを受けることにした。
「分かった、ならここの社の桟橋でやろう。この石段じゃプレイしずらいしな」
俺がそう言うと、少女は納得したと首を縦にふった。
かくして、俺とその少女は現在神社の社の中にいた。
何とも埃臭い感じが鼻に刺さる場所ではあるが知らない少女を家に連れ込むのも抵抗があったのでこうなっているわけで。
俺が神社の蛍光灯の電気を点ける。
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